この時季になると、親友からの古い手紙に書き添えられていたヘッセの詩が思い起こされる。
もう諦めていたのに、夏はもう一度力をとりもどした。
夏は、だんだん短くなる日に凝り固まったように輝く、
雲もなく焼きつく太陽を誇り顔に。
このように人の一生の努力の終わりに、失望してもう引っ込んでしまってから、
もう一度いきなり大波に身をまかせ、一生の残りを賭して見ることがあろう。
はかない恋に身をこがすにせよ、遅まきの仕事にとりかかるにせよ、
彼の行いと欲望の中に、終わりについての
秋のように澄んだ深い悟りがひびく。
Ende August