出展するのは、16x20インチの拡大ネガから制作した大判のプラチナパラジウムプリントです。作品は「伝統衣装を着たユピック・エスキモーの女性」。今回は、最近主流のインクジェットプリンターで出力するデジタル拡大ネガではなく、あえて超大判の銀塩フィルムで拡大ネガを作りプリントしました。拡大ネガの制作は田村写真の田村政実氏。結果として、非常に柔らかで繊細な毛皮や肌のディテールを再現できたと思います。
8x10インチの大型カメラで撮影したネガには、コンタクトプリントでは描写しきれない情報がつまっており、より大きなプリントを作ることでこれまで見えていなかった細部を表現することができます。これまでもデジタル拡大ネガからのプリント制作はおこなってきましたが、特に繊細さが要求されるポートレートには銀塩フィルムからの拡大ネガが適しているように思います。フィルム生産が続く限り、アナログ拡大ネガからのプラチナパラジムプリント制作をひとつの柱として取り組んでいこうと思っています。
また、期間中の10月13日におこなわれるトークセッションにも参加します。