Jan 31, 2012

ある日の夕陽



スライドボックスの中から懐かしい写真が出てきた。1991年か92年頃に撮影したアラスカ内陸部の夕陽。大学の夏休み中、ビーバーの生態写真を撮っていた時に写したものだ。砂嵐が激しい日で、燃えるような夕焼けが印象的だった。
この頃は、自分が本格的にモノクロームで写真を撮っていくなんて、まして人物を写そうなんてことは想像もしていなかった(写真家になることも具体的には・・)。モノクロ写真など、どこか古臭く感じていて嫌なくらいだった。

「人生何が起きるかわからない」と言う以前に、自分自身がどう変わってゆくかさえわからないものだ。”怒れるベーシスト” チャールズ・ミンガスは「常に変化する自分というものが、最も謎に満ちている」と言ったが、確かに一番わからないモノのひとつが、一番身近なはずの自分自身なのかもしれない。

写真家を志してから撮影をとおして様々な人たちと出会って色々な経験をして、ついでにずいぶん道草も食ってきたが、あのとき見た夕陽を思い出すと、不思議なくらいに鮮明な記憶として甦ってくる。人間はどれだけ変化・成長しても、やっぱり自分にとって原点となる光景や経験があり、その根っこの部分から伸びてゆくものなのだろう・・・なんて今の自分が考えるには年寄り臭い感じがするので、今は次へのステップを考えよう。

Jan 16, 2012

ブックマット作製



作品が海を渡ることになったので、ブックマットに写真をおさめた。
私のプラチナプリントのイメージサイズは8x10インチで、決して大きくはない。それゆえにマットの大きさとのバランスが大切であり、マットを施してようやく作品として完成すると考えている。

初めて個展を開催したときは業者が16x20インチの額飾を扱っていなかったので、40点近くの作品を自分でマットカッターを使って窓抜きもして額飾をしたものだった。そのときの経験で、きれいな直線や直角を出すことがいかに難しいか嫌と言うほどわかったので、いまは窓抜きだけはプロに頼んでいる。

ヒンジの取り付けや作品の固定を久しぶりにやったが、それでも正確な位置決めなどで気が張って相当疲れる作業だと再認識した。でも作業しているあいだに、あっという間に時間が過ぎ去り、これほどモノゴトに集中できたことも久しぶりな気がして、なかなか素晴らしいことだと思った。そう言えば、子供のころに河原でよくスケッチをしていて、あっという間に時間が過ぎ去って行ったのと、まったく同じ感覚だ。

仕上がった作品を送り出すのは、まるで我が子を旅に出すような気持ちだ。Bon Voyage !


Jan 2, 2012

BRUCKNER -7th Symphony- 2nd Mov-(part 1/3) Sergiu Celibidache



" Those who find beauty will one day realize that behind beauty lies truth."  F. Schiller

"What is truth? You can't use reason to define it. You have to experience it."  S. Celibidache