Nov 26, 2013

Printing the Bien Book in Verona, Italy March, 2013



ここ数年、大好きなオーデュボンの画集が高品質・高精度の印刷で出版されている。ハーバード大出版部からも原画の画集が出ていた。これは今年に出版された画集の印刷風景。だいぶ値が張る画集だが、やっぱり欲しいなあ(数年前に買った画集は$800まで値上がっている!)。

Nov 5, 2013

「長野県生まれの写真家たち」トークイベント



長野市の北野美術館別館で開催中の「長野県生まれの写真家たち」にて、先週末、由良環さんのトークが開催されました。由良さんは 4x5 インチカメラで世界の都市を定点撮影し、モノクロームプリントを制作されている方。今年の日本写真協会賞新人賞を受賞されました。

12月1日までの開催期間中、参加作家によるトークイベントが予定されています。


Oct 29, 2013

「長野県生まれの写真家たち」作品展



長野県長野市にある北野美術館別館 北野カルチュラルセンターにて開催される写真展「長野県出身の写真家たち」に、作品を出展します。

北野カルチュラルセンター(北野美術館分館)では、10周年記念展として長野県生まれの写真家たちに焦点を当てた「長野県生まれの写真家たち」代表作品展を開催します。
今回の出品者は計22名、一人3 / 全作品66点が一堂に展示されます。
この中には、「日本写真協会賞作家賞受賞者=3名」「同賞新人賞受賞者=7名」「ニコン伊奈信男賞受賞者=3名」「ジャーナリスト賞関係受賞者=3名」も含まれております。

また、物故者として飯田市出身の藤本四八(日本写真家協会会長)をはじめ、阿智村出身の熊谷元一、米国で活躍したハリー・K・シゲタ、松代町出身の島田謹介等の作品も展示します。

北野カルチュラルセンターでの展示は10月30日(水)から12月1日(日)まで。
この写真展は、東京都新宿区四谷のポートレートギャラリーでも、2014年1月30日(木)から2月6日まで開催予定です。

Oct 17, 2013

写真集「sila」サイン・エディションなし


写真集「sila」の サイン・エディションなし が一冊のみ、特価で購入可能です(中古扱いですが)。関係者以外、一般に販売しているものはすべて著者が押印したエディションナンバー入りですし、エディションなしの余剰分は落丁など不良品があった場合のために極少数部保管しているだけなので、これは珍しい一冊です。

この一冊が流出した理由は よほど飲み代の足しが欲しかったのか? 謎ですが、「サイン・エディションなし」は私にとっても貴重なので、余裕ができたら買おうかなぁ。

Sep 18, 2013

Gelatin Silver Session 2013 - Save The Film -


Gelatin Silver Session 2013 - Save The Film -

今年で7回目となるゼラチンシルバーセッションに参加します。


今回のテーマは「未発表作品」。私は「アサバスカン・インディアンのムースハンター」と題して、プラチナパラジウムプリントを2点出展します。開催期間中は参加作家によるトークセッションやサイレントオークションもおこなわれます。
東京六本木 AXIS Gallery にて10月04日(金) ─ 10月20日(日)まで開催。


※上の写真は、私が去年のトークセッションに参加した際の模様です。

Aug 5, 2013

お気に入り 弐



「My Favourite Things・私のお気に入り」というと、やっぱりジョン・コルトレーン。一枚あげるとすれば、「Live A The Village Vanguard Again!」。

もう、遠いむかしのことだが、最初に聴いたときの衝撃は凄いもので、写真のことやら、表現・創作についての根底から大きく揺さぶられ、分野を超えて、力とか勇気を与えられたものだった。

この頃のコルトレーンのスタイルは、すでにフリー・ジャズだが、爆発力は凄まじいものがある。でも、最初に聴いたときの衝撃というのは、炸裂するようなパワーとかではなくて、「音」自体から受けたように思う。言霊という語があるが、いってみれば「音霊」とでもいうのだろうか?確かに、この時期のコルトレーンの音楽は宗教的な傾向を示しているし、当然、60年代という時代背景・社会背景も影響していると思う。そのためか、フリー・ジャズっていうことに加えて、彼のアルバムのなかでは、一般的には地味な存在かもしれない。

あまり楽しんだり、くつろいだりできなくても、何かをきっかけに波長が合うと凄いことになるアルバムというのが、ジャズ、ロック、クラシックでも何枚かある。こちらの気持ちが充実した状態でないと、音楽が身体に入ってこないのだ。このアルバムは、そんな典型の一枚なのだが、逆に自分にとっては、そのときその音楽にどれだけ呼応できるかで、精神状態や気持ちの充実度がわかるバロメーターみたいなものになっている。

Jun 25, 2013

存在

「ほんとうに自由な哲学の出発点に立とうとする者は、神さえ放棄しなければならない。つまり、それを得ようとする者はそれを失い、それを捨てる者こそそれを見出すであろう、というわけだ。ひとたびすべてを捨て、自分もすべてに捨てられた者、そべてを奪い取られ、はてしなく自分だけを見つめてきた者だけが、自分自身の根拠を究め、生の底の底までを認識したことになる」 F. シェリング


Jan 8, 2013

My favourite things 1




これまでたくさんの写真集を見てきたが、決して数は多くないが自分自身に決定的な影響を与えてくれたものが何冊かある。そのうちの一冊は Brian Lanker 著の「I Dream a World: Portraits of Black Women Who Changed America」だ。ビジネスから芸術、学術関係などさまざまな分野で活躍するアメリカの黒人女性の肖像を、大判のジナーやハッセルブラッドで撮影したモノクロームの写真集だ。

1989年頃にでた写真集で、学生時代にたまたま町の書店でこの写真集を見つけた。実は、当時はカラーで写す風景や生物写真しか興味がなかった。モノクローム写真は興味がないどころか、どことなく古臭い感じがして毛嫌いさえしていた(授業ではモノクロフィルムを使わされていたが)。ところが、この写真集を何気なく手にしてパラパラとページをめくると、そのままレジへ直行していた。

当時の自分にとって、アメリカの黒人文化や人種問題、著者がピューリッツァ賞を受賞した著名な写真家だったことなど、まったく興味もなかったしどうでもよいことだった。ただ、人生までを浮き彫りにした重厚なポートレートに圧倒され、そこに写し出されている女性の美しさに魅了されたのだと思う。モノクローム写真の美しさ、ポートレートという手法の可能性、そして人間の美しさと同時にその存在の不可思議さ・・・このようなことは時間を掛けながら少しずつわかってきたように思う。最初は「この写真集は後々自分にとってとても重要になってくるんじゃないかな?」という予感めいたものだけだった。自分が持つ「嗅覚」だけが本物を見極めるための頼りだった。そもそも、そのときの自分にこの本が必要かどうか、などとその場限りの取捨選択的な目で作品というものを見ていたら、なんて偏狭でつまらないことだろう(写真集は高いし、当然無駄な出費になり得るというリスクもあるが、自腹を切らないと学べないこともあると後に知った)?そして「自分自身」というものさえ、つねに変化してゆくものだ。

この写真集は、全てひっくるめて当時の自分をいろいろと開眼させてくれたのだったが、それから4〜5年後、まさか自分が写真家を志し、しかもモノクロームで人物を写すことになるとは夢にも思わなかった。この写真集との出会いなくして、いまの自分の撮影スタイルもテーマもなかったかもしれない。

大学を卒業して撮影助手をしていた時代のこと、あるとき師匠とお酒を飲んでいたときに「ポートレートという手法で真理を追求してゆくことができるのか?」とたずねられた。そしてはっきり「はい。できます」と答えたことを覚えている。そして、いまも孤独な探求を続けている。